「文武両道 ー親から見た野球と教育ー」高瀬雅也さん

神奈川県下で有数の進学実績を誇る神奈川県立相模原高校。勉強だけではなく、野球部も佐相眞澄監督の下、2015年神奈川県春季大会で決勝に進出するなど「野球王国神奈川」で存在感を示している。そんな相模原高校野球部に在籍する高瀬悠多くんのお父さん、高瀬雅也さんにお話を伺った。

2017.06.19

スポーツと勉強の両方に挑戦する
文武両道を実践することで人格ができあがる


──「文武両道」がインタビューのテーマになります。親として、小さい頃から野球も勉強も両方頑張ってほしいという願いはあったのでしょうか。
高瀬 もちろん、ありました。伸び盛りの子どものときにこそ、高い目標を掲げて、スポーツと勉強の両方に挑戦してほしい。両方に全力で取り組むからこそ、人格ができあがると考えていました。

──野球だけでは足りない。
高瀬 そうですね。じゃあ、なぜ、文武両道かというと……、まずはぼく自身の話をしてもいいでしょうか?

──もちろんです。
高瀬 ぼくの人生ビジョンは「世界平和」に貢献することです。かつてあったカップラーメンのCMのように、人と人との心の国境をなくしたい。私は、「私人」の立場ではあるのですが、「公人」のように世界平和のために貢献していきたいとずっと思っています。

──公人というのは?
高瀬 自分の私利私欲のためではなく、誰かのために何かを為すということです。具体的な職業で言えば、外交官や政治家、商社マンもあてはまるでしょうか。でも、自分たちの世代だけでは現実的にどうにもできないこともあります。できなかったことは、次の世代に引き継いでもらうしかないわけです。リレーのバトンを、30年ずつ繋いでいくイメージですね。

──では、そんな中で勉強は何のために必要なんでしょうか?
高瀬 子どもの頃に、いろんな学びをすることで、倫理観や道徳観の醸成と幅広い価値観が形成されると思います。

──でも勉強だけだと不十分なんですね。
高瀬 はい。学校の勉強だけやっていたら世界に通用するのかといえば、絶対にそうではないですよね。スポーツから学べることも必ずあります。

──具体的にスポーツから学べることは、どんなことですか?
高瀬 ピンチの切り抜け方や、ハイプレッシャーの中で平常心で戦うことの大事さなど、メンタル面を鍛えられるはずです。悠多は小学2年から野球を始めていますが、よく言ったのは、「勉強を頑張るのと、相手のエースからホームランを打つのはどっちが難しい? 勉強のほうが楽だろう。相手と戦う野球のほうがよっぽど難しい。だから、両方にチャレンジすることに意味があるんだよ」と話していました。

──なるほど、たしかにホームランを打つほうが難しいですね。
高瀬 適した例えかどうかはわかりませんが、世界平和のため……という中で、頭に浮かぶのは田中角栄です。厳しい局面に自ら飛び込んでいき、各国の首脳の心をつかみ、「あなたのためなら協力しましょう」と握手ができるような人間でなければ、心の国境はなくなっていかないと思います。

──こういった考えは、悠多くんが小さい頃から話していたんですか?
高瀬 すべてではないですが、伝えてきたつもりです。最近、人づてに聞いた話で、あいつの夢は「日韓友好の橋渡しをすること」らしいです。少しは、親の考えが伝わっていたのかなと思います。

──「子どもは親の背中を見て育つ」と言いますが、親として「かっこよく生きたい」という思いはありましたか。
高瀬 二十四時間いつでも、信念を持って、後悔のない生き方をしています。ときに酔っぱらって帰ってくることもありますが、それも含めて、ぼくの生き方ですね。
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