【別府大平山少年野球部】日本を代表する名遊撃手が育った少年野球チーム(前編)

大分県大会上位の常連で別府市を代表する少年野球の強豪チームが別府大平山少年野球部だ。今では日本を代表するプロ野球選手となったあの選手が育ったチームで、彼を育てた地域と家族が今もなお次代のスター候補たちを指導している。それではチームの練習を覗いてみることにしよう。

2017.10.17

日本を代表する名遊撃手が育ったチーム

別府大平山少年野球部を率いる今宮美智雄監督
「野球が好きで、好きでたまらない。練習後もグラウンドに残って、なおも野球している。そんな“野球小僧”が少なくなってきましたよね。今は保護者さんが迎えに来てクルマで連れ帰る時代ですから、なかなかそういうことができなくなってきているけど、我々のような昔の人間からすると、寂しいところがあるのは確かですね」

そう語るのは、別府大平山少年野球部(大分県)の今宮美智雄監督だ。チームを率いて今年で27年目になる。大平山は軟式野球の盛んな別府市を代表する強豪で、過去には県大会優勝、九州大会出場といった実績を残しながら今宮健太(福岡ソフトバンクホークス)、山野恭介(元広島カープ)らプロにも選手を輩出した。

今宮監督の三男が今宮健太にあたり、今宮監督の妻・一子さんも元高校球児で次男の祥雄さんとともに大平山でコーチを務めている。一子さんは野球・ソフトボールともに未経験ながら今宮監督の就任と同時に指導をスタートさせ、プロ野球中継の解説などを参考に独自の指導法を考案。「ノックでは空振りしたことがない」というから恐れ入る。

コーチとしてチームを支える今宮祥雄さんと今宮一子さん

福岡に住む息子の健太は、シーズン中でも移動日などのオフに帰省し後輩たちと一緒に練習することがある。子どもたちは憧れのプロ野球選手を「健太くん」と呼び、まさに近所のカッコいいお兄ちゃんと野球を楽しんでいるかのような風情。まさに今宮家と地域との根強い「野球の輪」が見て取れる、他にはなかなかないスタイルのチームだ。

部員は現在、1年生から6年生までの合計で27人。そのうち6年生が8人を占めており、その他学年は5年生が3人、4年生が4人、3年生が2人、1・2年生が5人ずつとなっている。新入部員や体の小さい1、2年生にはグラウンド脇でのスローイング指導、ノック、ティーによる打撃指導などで基礎を固めているが、基本的には全員が同じ練習メニューに取り組む。

大平山少年野球部のバッティング練習の様子

能力やセンス、成長具合には個人差があるので、すべての子どもたちが同じ足並みで成長することなどはまずあり得ない。そこで今宮監督が注意していることは「選手を長い目で見守る」ことなのだという。

「子どもたちがアドバイスどおりに動けたとしても、次の日にはころっと忘れてしまう。指導者は子どもたちの成長を気長に見てあげないと。1、2年かけて成果が表れない子どもも、我々が根気強く接してあげることで3、4年後に大きく変わることだってありますからね」

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