野球はなぜオフシーズンに走り込み練習を行うのか?

オフシーズンになるとチームでランニングに取り組む時間も増えてくることと思います。中には「まるで陸上部みたい…」「なぜこんなに走るのだろう?」と感じることもあると思いますが、体力面での強化として行うランニングは野球のパフォーマンスアップにつながります。

2017.12.13
スポーツをする上で必要な体力要素は大きく8つにわけて考えることが出来ます。

【1】筋力(筋肉が発揮する力)
【2】スピード(筋肉が力を発揮する速さ)
【3】パワー(筋力×スピード、いわゆる瞬発力)
【4】敏捷性(方向転換を伴う動きの調整力)
【5】柔軟性(筋肉・腱等の柔らかさ、関節可動域の広さ)
【6】バランス(自分の身体を支えるバランス感覚)
【7】全身持久力(心肺機能の強化、スタミナ強化)
【8】筋持久力(筋肉を継続的に動かす力)

オフシーズン中に行うランニングではこうした体力要素のある部分を重点的に鍛えることで、野球の技術練習だけでは得られない大きな効果を期待することができます。

長距離(800m〜)ランニングであれば、試合終盤になってもスタミナ切れでバテてしまうことなく足が動いてプレーが出来ることや、脚の筋持久力が向上し、投球フォームの安定感を得ることが出来るといった狙いがあります。

またプレー中の心拍数よりも高い状態で負荷をかけることが全身持久力の向上につながります。こうしたランニングは時間のかかるものが多いこと、そして暑い夏の時期よりも気温が下がった時期の方が適していることなどから、オフシーズンを中心に行われていると考えられます。

長距離走であればタイム(ラップタイムやゴールタイムなど)設定を行い、時間内に走りきるだけの心肺機能、脚や体幹の筋持久力を強化するように設定するようにします。

また野球は高強度・短時間の運動と休みをはさむ間欠的な持久力が求められますので、走る時間と休む時間を設定するインターバル走などを取り入れることもスタミナ強化につながります。タイム設定を行う場合は、個人の体力レベルの差を考慮することも必要になってくるでしょう。

このように目的に応じたランニングは、野球の技術練習のみでは得られない体力要素を強化するため、野球のプレー以上に「キツい」と感じるのは、ある意味当然であるとも言えます。ただし、こうした体力要素の強化とかけ離れたトレーニングはあまり効果がなく、「キツい」上に「やらされている」感が否めませんので、ランニングではどういった体力要素を鍛えているのかを明確にしておくことが大切です。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。


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