【少年野球質問箱】素振りはやらない方がいいんですか?

全国約7,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」の管理人廣川さんが、お父さんお母さん、指導者の皆さんの少年野球に対する悩みや疑問にお答えします。

2018.01.24

今回の質問

「自宅での練習、素振りについて」

息子は毎晩、家の前で素振りをしています。本人なりに内角、外角、高め、低めなどを想定してやっているようです。しかし、最近「ボールを打たないバッティングの練習は意味がない」「やらない方がマシ」「素振りは意味がない」といった意見を耳にしました。それは、正しいスイングができているかは打球を見て判断するべきであり、ボールを打たない素振りはそれが判断できない。もしかしたら誤ったフォームで延々バットを振り続ける事になるかもしれず非常に危険だから、ということのようです。
しかし、古くは王選手や松井選手も一生懸命素振りをして打者として大成したと思います。本当に素振りは意味がないのでしょうか?息子には素振りをやめさせるべきでしょうか?素振りがダメなら、自宅でティーバッティングなどができる設備のない、私たちのような家庭の子は、どんなバッティング練習をするべきでしょうか?(40代 男性)


廣川さんの答え

イチロー選手はかつて、「僕は高校生活の3年間、1日にたった10分ですが、寝る前に必ず素振りをしました。その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。これが誰よりもやった練習です」と言っていたそうです。松井秀喜氏は「野球人生で一番思い出のシーンは、やはり長嶋監督と2人で素振りした時間が一番印象に残っているかもしれない」と言っています。

私は個々の練習メニューに「意味があるか、ないか」は取り組む人や指導する人が「意味を持たせられるか?」次第だと思います。

例えば「素振り」はボールの用意が必要なく、バットだけあればできる練習です。思い通りのバットの軌道を描けているか?など、打撃動作を習得するには有効な練習方法だと思います。ただ、「自分の動作が見えないこと」「実際にボールを打たないとわからないこと」が有効性を高める上でのネックです。

コースを意識しながら振ることも良いですが、動作を確認するためには「自分がバットを振っている姿が見られる環境」であればなお良いと思います。姿見などがあれば最高ですが、普通のご家庭であれば「姿見があってバットが振れるスペース」なんてないですよね。私は子どもの頃に、夜に素振りをするようにしていました。街灯などのライトを背に、自分の影を見ながらバットを振ることでスイングを確認しながら振りました。今だと家族にスマホで撮影して貰って、自分のスイングをチェックすることもできますね。自分のスイングを確認できると同じ素振りでもモチベーションは上がりやすいです。

もうひとつの問題「実際のボールを打たないこと」は素振りでは解消できませんね。
これは「バットに当てる練習をする」よりも「力の入れ具合を覚える」ためにも「ボールを打つ」経験は必要です。最近ではバドミントンのシャトルを使って練習する人、「サンドボール」という砂鉄の入ったゴムボールで練習している人もいます。でもたくさん買うと費用はかかりますね。

私が小学生の頃は、自宅の庭で「折り込み広告を丸めたボール」を使ってティー打撃を行っていました。これならばボールを購入する必要もなく、バットを振るスペースさえあれば打てます。仮に打ち損なって投げる人に当たっても怪我をすることもありません。打球の回転が実際のボールよりもわかりやすい(ボールの下を叩くと大きくホップします)というメリットもあります。

ティー打撃は「バットに当たるかどうか」だけでなく、「どんな回転の打球を打つか?」にもこだわって練習すると、打撃の上達は早くなると思います。頑張ってください。



*「ご用件」に「少年野球質問箱」と書いて、廣川さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。


「廣川さん」プロフィール

廣川寿(ひろかわ ひさし)1969年生まれ。愛媛県出身。全国約7,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」管理人。

【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)

【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝

■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場

■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
 ・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
 ・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
 ・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など

【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数。


「少年野球指導者のひとり言」関連記事

最新の記事