『動かない選手』は必ずどこかで破綻する

2018.01.26
私は野球選手が成長するために最も必要なことは「動くこと」だと思います。
特に早期から「動く」を身につけている選手はその後の成長が早いと感じてます。

「動く」とは「瞬発力に長けている」とか「足が速い」といった運動能力を指しているのではありません。
たとえ足が遅くても「自発的な行動」「早期着手」「一生懸命走る」「一歩でも多く足を動かす」といった積極性や能動性を指します。

「動く」にはいろんな要素が含まれています。

(1)情報収集スキル
(2)情報処理スキル・思考力
(3)決断力
(4)行動力


この4つが揃ってこそ必要な場面で効果的に「動く」ができます。
促されて行動しているのは「動く」ではなく、「動かされている」だけです。

例えばグラウンドで「歩いている選手」と「走っている選手」は目的意識が違います。
目的やアテもなく走っている選手はほぼいません。「『いつまでに』『どこに』たどり着くか?」といった目的意識や目標達成意欲があるからこそ「走る」のです。一方で歩いている選手は漠然と時間を過ごしていたり、走っている選手よりも目的意識や目標達成意欲が弱いケースが多いです。経験上、そういった選手は仮に身体能力が高くてもどこかのフェーズで行き詰まります。

チームを作る時にも「動ける子」にリーダーを任せた時と「動かない子」にリーダーを任せた時では結果に大きな違いが現れます。私が監督であれば上手いか下手かは二の次で「動ける子」をリーダーに任命します。なぜならリーダーが動けば他の選手も動くし、動かないリーダーの元では選手全体の動きが緩慢になるからです。

リーダーの任命は「どんなチームを作るか?」というビジョンの問題です。罵声を浴びせて「動け!」と命令するよりも「どんな選手を評価するのか?」「どんな選手に重要な役割を担わせるのか?」を明確にし、競わせ、公正に評価した方がフェアなチームになります。

「みんな仲良く楽しく」だけを目指すのであれば人気者を、選手を奴隷のように扱うのであれば自分のお気に入り選手をリーダーにすれば良いと思いますが、技術的・精神的な成長を求めるのであれば「動ける選手」をリーダーに据えた方が結果は出やすいです。

「自発的に行動する」「積極的に行動する」「他人よりも行動量を多くする」を心がけた選手とその逆の選手で同じ時間を過ごせば、得られる経験も習得する技術の量も差は歴然です。


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著者プロフィール

著者:廣川寿(ひろかわひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


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