【八尾フレンド】チームの根本にあるのは『勝つ』こと、そして野球を通じた人間形成(後編)

桑田真澄(元巨人)や平石洋介(現楽天ヘッドコーチ)など、多くのプロ野球選手を輩出してきた大阪の中学硬式野球の強豪八尾フレンド。現在、中学部の指揮を執るのは、自身も八尾フレンドOBの大浦友裕監督。まだ20代の青年監督だ。大浦監督は『楽しさ』だけがクローズアップされる少年野球のあり方に異を唱える。

2018.01.31

野球は『楽しい』の先に『面白い』がある

――近年、野球人口の減少が問題となっています。特に小中学生でその傾向が強いですが、中学野球の指導者の立場から、野球人口減少を感じることはありますか?
「子どもの数自体が減っているので野球人口も減ったのかと思うところはあるんですけども、中学部の強いチームには今もたくさんの子ども達が入団しているので、(中学硬式野球だけでいうと)そんなに野球人口は減っている感じは受けないというのが、正直な感想ですね」


――指導者同士で少年野球人口の減少が話題になることはありますか?
「そういった話が出ることももちろんあります。地域同士で交流試合をして盛り上げていこうという話は若い僕らがやっていかないとダメなのかなと思ってますし、他チームの同級生のコーチと話し合って交流戦をしようとか、あるいは野球で社会に何か返せることがないかなとボランティア活動を行ったりしています」


――ボランティアの内容は地域の掃除などですか?
「掃除ももちろんそうなんですけど、知人が海外で野球を教えているということで今度は海外に道具提供しようかなと思っています」


――先日、DeNA・筒香選手の提言(勝利至上主義の弊害やリーグ戦、反発力の少ない金属バットの導入など)が話題になりました。このニュースをどういう風に捉えましたか?
「うちのチームは『勝つ』ということに目標を置いています。その中で自分の役割を認識して『チームのために何ができるか?』というところが、チームのもともとの根本にあります。

ですから『勝つ』ということを目標から外してしまうと、何を目標に野球をするんや?ということになってしまうと思いますし、『楽しさ』だけが野球なのか、と思いますね。野球は『楽しい』の先に『面白い』があると思うんですよ。『楽しい』というのはただ自分だけが打ったり、投げたりしているところが楽しいんだと思うんですよ。でも、負けたらみんな悔しいでしょうし、絶対、次は勝ちたいと思う。勝たなくていい、という脱勝利至上主義みたいなのはどのスポーツにおいても存在し得ないと思うんです。

少年野球であろうと、試合には勝った方が良いでしょうし、その中でのやり方というのはあると思います。筒香選手が言うように、球数の制限だったり、子どもたちの事を考えてやって欲しいというのはもちろんあります。怪我をしてしまうと好きでやっている野球が出来なくなってしまうこともありますし。でもそこは指導者側が責任を持って練習メニューに意図を持ってやっていけばいい話だと思います。

高校野球も、勝った先に甲子園という目標があるからあれだけ選手達も一生懸命、きつい練習をするわけであって、見る側にも感動を呼ぶわけじゃないですか。

筒香選手がどういった思いで発言されたかはわからないですけど、『勝つ』ことから離れて楽しさを優先させると言うのは、八尾フレンドにとっては、僕自身は考えにくいなぁとは思います」
子どもの体力と技術を日頃から把握する

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