「指導者のひらめき」では選手は成長しない

2018.02.02
子どもには様々な可能性があります。
その可能性は大人の想像を超えます。だからこそ大人は変な先入観を持たず、新たな可能性を探る必要があると思います。「お前は外野手向き」「お前は2番打者タイプ」などと勝手に決めず、様々な挑戦させる取り組みが必要だと思います。

私もコンバートや投球フォームの変更を選手に課したことがあります。その時の経験から、選手に今までと大きく違うことを要求する時には2つの留意点があると思います。

【1】変更の意図をできるだけ詳細に伝えること
コンバートなどにはある程度の「目論見」があると思います。その目論見を選手に対して詳細に伝え、期待の根拠を示す必要があります。サプライズのように「今日、ショートやって」とだけ言ったところで選手は不安に思うだけです。単に「試す」という意図だけでの起用だとすると、その軽い気持ちは選手にも伝わります。

「キミの肩の強さをショートで活かしたいと思う」「キミの足なら凄く広い守備範囲をカバーできるのではないかと思う」など、期待を具体的な言葉にすることで選手の意識が高まり、実験とはいえど成果が出る可能性が高まります。

【2】起用したら「起用責任」を全うすること
だいたいコンバートって最初からは上手く行きません。仮に上手くいったとしても「たまたま運が良かっただけ」と思った方が良いと思います。上手くいかず、ミスなどが出た時に簡単にその選手を交代させてしまうと選手との信頼関係は崩壊します。
起用する限りは覚悟を決めて「今日はいくつエラーしても最後まで使う」といった覚悟を示すことが選手の力を引き出します。エラー続出している選手を起用し続けることはストレスがたまると思います。でも選手は不慣れなことをやっている時点でストレスがかかっているのです。指導者だってそれくらいのことは我慢しましょう。

管理者の意味不明な指揮命令は「部下の考える力」を奪います。
一生懸命考えても指導者の気分で変わってしまうのであれば、考える意味がないからです。急なコンバートであっても選手が成長機会として捉え、前向きな姿勢で挑戦するためには指導者に緻密なコミュニケーションが求められます。

指導者がそこまで考え抜いた施策は、もはや「ひらめき」ではありません。


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著者プロフィール

著者:廣川寿(ひろかわひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


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