筑波大学川村准教授が考える野球離れの原因、野球のこれから(後編)

筑波大学硬式野球部の川村卓監督(同大学准教授)へのインタビュー。前編では子どもの野球離れとその対策について話を聞いたが、今回の後編では実際に野球をしている子ども達、またその指導者に対しての提言についてお届けする。

2018.02.14

(前編)筑波大学川村准教授が考える野球離れの原因、野球のこれから

子どものうちは色んな運動経験をしておくことが重要


――子どもに対してはまず野球をさせすぎないというお話でしたが、実際に後から投げたり打ったりする動作を身につけるのは難しいように感じますがいかがでしょうか?
「それは当然ありますが、早期に専門化する必要はありません。経験としてその動作をやったことがあるということが重要で、上手にできなくてもいいんですよ。

特に経験しておいた方がいいのが投げる動作とねじる動作ですね。特にねじる動作は経験していなくて全然できない子が多いです。授業で女子学生にバットを振らせてみると、よく持ったところから前に振るだけになる子がいます。ねじる動きを教えようとしても、概念から理解できないという子も少なくないです。これは子どもの時にそういう動きをやっていないことが原因だと思いますね」

――投げる動きもヒジや手首が使えないことをよく『女の子投げ』と言ったりしますが、やはり経験が重要なんですね。
「強く投げたり、速いボールを投げる必要はないんですよ。それよりもパラボリックスローと呼ばれる山なりのボールを狙ったところに投げる方がいいですね。これも上手に入れられなくてもいいんですよ。これくらい力を入れればこれくらい飛ぶ、といったことを経験しておくだけで問題ありません。ただこれも前に言ったように『よしやるぞ!』という風に練習としてやると、どんどんプレッシャーがかかって上手くできなくなります。あくまで遊びの感覚でやる方がいいですね。

野球の動きに限らず子どものうちは色んな運動経験をしておくことがとにかく重要です。後から専門的な動きになった時に経験したことが転移して、上手く体を使えるようになります」

――子どものうちから決められた野球の動きだけをするのは良くないということですね?
「そう思います。自分が監修という形で携わらせてもらっている少年野球チームがあるのですが、そのチームの練習は土曜日の午前中だけです。ただこれはからくりがあって、他の日に野球以外の遊びをする時間をとるようにしています。(前編で紹介した)水曜日に行っている野球遊びもその一つですね。それくらいしか野球の練習をしていなくても、地区で準優勝するくらいになっています。

ただこれも難しいところで、準優勝まですると『次は優勝するためにもっとやった方がいいんじゃないか?』という話も出てくるんですよ(笑)。ただそこでまた野球の練習を多くやって仮に勝てたとしても、その後に野球を続けない子が出てくると思います」
指導者は口を出さずに見守って

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