【狭山西武ボーイズ】子どもたちの将来のために「勝つチームを徹底的に目指す」(前編)

埼玉西武ライオンズの本拠地であるメットライフドームからも近い埼玉県狭山市。ここを拠点に活動している中学硬式野球チームが狭山西武ボーイズだ。2013年4月に創設された新しいチームでありながら昨年春の全国大会では準優勝を果たすなど、早くも全国にその名を轟かせている強豪チームだ。創部数年で全国レベルの強豪チームとなった狭山西武ボーイズは、普段どのような練習を行っているのだろうか?チームを率いる元プロ野球選手の小野代表はどんな理念、ポリシーを持ち子どもたちに接しているのだろうか?平日夜の練習場に足を運んでみた。

2018.02.19
狭山西武ボーイズの代表を務めるのは巨人、埼玉西武で投手としてプレーした小野剛さん。小学生向けの野球塾『PRIMAVERA LIONE(プリマヴェーラ・リオーネ)』も運営しているほか、独立リーグの福島ホープスのGMも務めている。また、野球だけに留まらず、ホテル業、不動産業、飲食業など多岐にわたるビジネスを展開している実業家でもある。そんな小野代表にお話しをうかがった。


――あらゆる事業を手掛けていますが、そんな中でも野球チームを作ろうと思ったのはなぜですか?
「自分が事業を始める軸としてプロ野球選手のセカンドキャリアというものがあります。そのためにまず元プロ選手の雇用を生む一つの方法として考えました。多くの少年野球や中学のチームは指導者の方がボランティアに近い形でやっていて保護者の方への負担が大きいという課題もありましたので、自分のチームは指導者にもしっかり給料を払い、プロという意識でやってもらっています。そうすることで指導者にも責任が生まれますから」

――元プロ選手である監督、コーチにはどのようなことを求めていますか?
「うちの選手達には指導者が言っていることが分からなければ質問しなさいと言っています。例えばよく『足を使って投げろ』って言う指導者がいるじゃないですか?でも子どもが『意味を教えてください』って聞くと、ちゃんと答えられない指導者が多いと思うんですよ。でも、うちのチームの監督、コーチはボランティアではなく、教えることで給料を貰っているプロですから、そういうことは許されません。監督の福井敬治(元巨人、広島)さんも巨人時代の先輩ですけど、そういうことをしっかり要求しています」

――チームのホームページに記載されている活動理念の最初に『勝つチームを徹底的に目指す』とあります。中学生年代は勝利を目指さなくても良いという風潮もありますが、勝ちにこだわる理由を教えていただけますか?
「一番大きいのは子どもたちの将来を考えてのことです。大半の選手が将来、野球ではない仕事に就きますし、もしプロ野球選手になれたとしても選手を引退してからの人生の方が長い。それを考えた時に、勝つために野球をすることがビジネスの世界でもそのまま生きると思うんですよ。例えば、野球の試合で勝つためには、選手たちが状況に応じて相手の投手のこと、打者のこと、ランナーのことなど色々なものを観察して情報を収集しますよね。その情報を生かして、試合に勝つために今何をするべきかという状況判断すると思うんですよね。これは野球でもビジネスでも非常に重要です。でもただ楽しくやろうと思って野球をしていても、そういう能力は身につかないですよね。

あと自分の立場ではメンタルの部分を話すことが多いです。苦しい場面での忍耐力や諦めない精神も将来のことを考えると重要です。ただ勘違いしてほしくないのは、中学時代に勝つことが最終ゴールではもちろんありません。だから保護者にはいくら上手くなって中学の日本代表に選ばれても大した意味はないですよという話をしています。この年代は身体の成長の影響が大きいですから。自分も高校は桐蔭学園(神奈川)に行きましたけど、当時新入生に中学の全日本代表が6人いたんですよ。でも、彼らがその後プロに進めたわけじゃないですからね。

ただ選手達には『勝つためにやろう』とは言います。繰り返しになりますが、それが選手の将来の人間的な成長に繋がると思うからです」
大事なのは子どもたちの成功体験

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