【狭山西武ボーイズ】子どもたちの将来のために「勝つチームを徹底的に目指す」(後編)

埼玉西武ライオンズの本拠地であるメットライフドームからも近い埼玉県狭山市。ここを拠点に活動している中学硬式野球チームが狭山西武ボーイズだ。2013年4月に創設された新しいチームでありながら昨年春の全国大会では準優勝を果たすなど、早くも全国にその名を轟かせている強豪チームだ。創部数年で全国レベルの強豪チームとなった狭山西武ボーイズは、普段どのような練習を行っているのだろうか?チームを率いる元プロ野球選手の小野代表はどんな理念、ポリシーを持ち子どもたちに接しているのだろうか?平日夜の練習場に足を運んでみた。

2018.02.20
――小野さんの考える大きな方針と、メンタル的な部分はお伺いしましたが(前編参照)、具体的な野球のプレーについてチームとして強化しているところはありますか?
「まずはとにかく技術を伸ばすことです。身体の成長は個人差があるので、成長の遅い子は中学で活躍することは難しいんですよ。でもしっかりとした技術が身につきさえすれば、あとで身体が大きくなって筋力がついてきたときに自然とプレー自体は良くなります。だから子どもたちを送り出す高校の監督やコーチにも、『この子は今は身体が小さいからこのレベルですけど、これから身体ができたら(技術は身についているので)必ず伸びますよ』と言うことは多いですね。特にピッチャーはそういう子が多いと思います」

――小野さんご自身やスタッフの方が元プロ野球選手だということも最大限活用していると伺いしましたが。
「ソフトバンクの工藤(公康)監督は巨人時代に一緒にプレーさせていただいたこともあって、今でも頻繁に交流させていただいています。うちの選手の練習メニューもソフトバンクの投手陣が行っているものを使わせてもらっていますよ。もちろん身体ができていない中学生なので、自重トレーニング(*腕立て伏せや懸垂など自分の体重を利用したトレーニング)を中心とした負荷の強くないものには限定しています。トレーナーの方とも繋がりがありますので、何か体の不調や違和感があった時にすぐに相談できるという環境もありますね。トレーニング、治療、どちらの面でも常に最先端のものを活用できるようにしています」

――なるほど。それは確かに元プロ野球選手が運営するチームの強みですね。
「あとは、これは元プロ野球選手だからという訳ではないのですが、野球に限らず他のスポーツでも一流の方の話はよく聞くようにしています。福島大の陸上部の監督をされている川本和久教授もその一人ですね。野球の専門家ではないのですが、だからこそ持っている独特の視点があると思います。川本先生はある時、バットを振ってから一塁まで走るのにどうすれば速くなるか考えて、色々と実験したそうなんですね。特に右バッターは左方向にに回転してから走るからスタートが遅くなるじゃないですか。でも振った後に頭を走る方に傾けるだけでいいそうなんです。頭って人間の体の中でも重い部分なので、傾けると支えようとして足が自然に出るんですよ。この動きを利用するだけで一塁までが0.2秒は違うと言っていました。こういう視点も大事にして、選手の指導に落とし込むようにしています」

――他のスポーツをすることが野球に役立つということもあるそうですね。
「技術というのは神経伝達が重要ですから、神経機能が発達する小中学生のうちに色んなスポーツをやることは良いことだと思いますね。そうすることで身体の使い方を覚えることができます。これは野球の色んなプレーにおいても同じです。やったことのない動きというのは実戦の場ではできないんですよ。だからうちの練習では逆シングルでのキャッチやジャンピングスローなんかも取り入れています」

――西武ライオンズジュニアで活躍して、テレビ番組でも取り上げられた蔵方菜央さんも入団予定と伺いしましたが、彼女のプレーぶりは小野さんから見てどうですか?
「まず今の小学校6年生の段階では抜けていますね。身体も大きいですし、投げても打っても他の6年生の男子と比べてもトップクラスでしょう。ただこれから男子はどんどん筋力が成長してくるので、そうなった時にどうかが重要だと思います。それでも、これからの日本の女子野球を引っ張っていく選手だと思います」

野球は子どもが必ず経験した方がいいスポーツ

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