ニュース 2018.03.14. 12:04

ダルビッシュを育てた若生監督が語る「伸びる選手の条件」(前編)

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頭で考える子は伸びる


これまで数々の選手をプロに送り出してきた若生監督。才能に恵まれた選手もたくさん見てきたことは間違いないが、伸びる選手の条件について挙げたのはまず野球の技術以外の部分だった。

「一番大事なのはやっぱり本人のやる気じゃないですかね。絶対に上手くなってやろうという気持ちが見える選手は強いです。九国(九州国際大付)時代の古澤(勝吾・ソフトバンク)なんかはその典型だと思います。中学2年の時に九国でやりたいからということで滋賀から練習を見に来たんですけど、当時は身体が小さくて目立つような選手じゃなかったんですよ。『本当に大丈夫か?』って言ったんだけど、どうしてもやりたいと言うから受け入れました。そうしたら中学3年の時に一気に伸びて全国でも活躍して、高校に来てからも早くから使える選手になりました。同じ学年の清水(優心・日本ハム)も最初はとにかく細くて頼りなかった。それでもやる気は人一倍あったからあそこまで伸びたんじゃないですか」

高校時代はヤンチャな印象の強かったダルビッシュも、若生監督の目にはそう映っていなかったそうだ。そして野球に取り組む姿勢とともに感じたことがあるという。
「自分の前ではそんな(ヤンチャな)姿は全然見せなかった。野球に対しては高校時代から真面目だったと思いますよ。入ってきたときからモノが違うなとは思いましたけど、それだけじゃない。こっちが言ったことをちゃんと頭で理解してますね。頭でまず考えて、それを練習で試してる。そういう意味では(2番手投手だった)真壁(賢守・元Honda)もそうでした。こっちが言ったことをちゃんとできるんですよ。そういう頭で考える子は伸びますね」

若生監督が最初に埼玉栄の監督に就任したのは1987年。指導者生活は30年を超える。その長い期間の中で、選手の気質の変化は感じてきているようだ。
「簡単に言うと今の子の方がめげるのが早い。昔はこっちが厳しく言っても跳ね返すような力がある子が多かったけど、今はシュンとなっちゃいますね。怪我をした時の回復も遅いような気がします。怪我をしたことで気持ちも落ちちゃう子が多いんでしょうね」
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