【夢を叶えた男たちの少年時代】福岡ソフトバンクホークス 中村晃選手(中学〜高校編)

選球眼の良さと巧みなバットコントロールが魅力の中村晃選手。どの打順を任されても持ち味を発揮できる打撃職人として、昨季は2年ぶりの日本一に大きく貢献した。11年目を迎える今季は、開幕3戦目で逆転満塁ホームランを放ち、早速その存在感を見せつけた。そんな中村選手は、どんな少年時代を過ごしてきたのだろうか。その生い立ちから、憧れのプロ入りまでを語ってもらった。

2018.04.05
写真|朝霞第二中学野球部のみんなと写真に収まる中村晃選手
朝霞第二中学野球部の集合写真(後列・左から2番目)

「中学になると厳しかったし、本当にきつかったですね」
当時を思い出しながら、中村選手の表情がこわばる。顧問の橋本先生は厳しくもあり、熱心な指導をしてくれる先生だった。ランニングや体力強化よりも、ボールを使った技術的なメニューが多かった。理論的な指導法で、相手投手の動きに合わせるシンクロ打法やうねり打法など、晃くんにとっては新鮮な打撃練習を行っていく。
「人それぞれ合う、合わないはあると思うけど、僕は合っていたと思います。練習内容は小学生のときから聞いていたし、やってみたかった」

多くのことを吸収する毎日だったが、それと同時に小学生時代とは大きく異なる厳しい環境に馴染むのはきつかった。今でこそ感謝しているが、妥協のない厳しい指導についていくことに疲れてしまった時期があった。「野球は好きだけど、もう辞めてしまいたい」と、練習に参加せず帰宅。そんなとき、橋本先生が自宅までやって来て「また一緒にやろう」と声をかけてくれた。先生の言葉により気持ちを入れ替え、翌日からはまた練習に足を運んだ。
「もし辞めていたら、何をやっているかわからない。続けていてよかったです」と当時を振り返る。

写真|「藤倉オールスターズ」の仲間たちと中村晃選手
Kボール「藤倉オールスターズ」の仲間たちと

こうして最後までやり抜いた晃くんは、引退後にKボール(現・KWBボール)に参加。チームメートや対戦経験のある顔見知りの選手たちと共に、選抜チーム「藤倉オールスターズ」で全国大会に出場した。Kボールとは、素材は軟式と同じゴムでできているが重さ・大きさは硬球と同様。軟球でプレーしていた選手も違和感なく馴染むことができ、硬球にスムーズに移行することができると言われている。部活を引退した選手が、高校で硬式野球を始める前に経験することが多い。
「Kボールは軟球よりも重たい感じがして打撃は飛ばない。少し大きいけど、投げる方はそれほど変わらない」 と、その感覚を教えてくれた。
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