【少年野球トレーニング】野球に必要な「握力」を鍛える

野球はバットやボールなどさまざまな用具を使ってプレーする競技ですが、この中で物を握る能力である握力はパフォーマンスに大きく影響します。バットをしっかり握っていなければすっぽ抜けてしまうだけではなく、バットにボールを当てるという動作そのものがうまく再現できなくなります。またボールを投げる時にもリリースが安定しないため、コントロールが悪くなってしまうと考えられます。

2018.06.08

「能動握力」と「受動握力」

握力は一般的に物を握る力のことを指し、リンゴを手でつぶすといった動作が想像できますが、スポーツにおいては物を握るという動作だけではなく、握った物を離さない力も必要になってきます。

握力計などで握って力を発揮するものを「能動握力」握った物を離さないように耐える力を「受動握力」と呼ぶこともあります。

野球のシーンで考えてみると、投げる時にボールを強く握るというよりも、ボールに切れの良い回転を与えるためにボールをより長く保持するというところで、受動握力が発揮されることになります。

野球の動作において大きな力を発揮するためには下半身、体幹の筋力が不可欠ですが、動作の最終段階で巧みな動きをコントロールするところに握力が関係します。

能動握力を鍛えるトレーニング方法としてはダンベルやバーベルを使ったリストカール、リバースリストカールなどが一般的ですが、受動握力を鍛える場合は何かにつかまってその状態を保持するトレーニングを選ぶ必要があり、手軽にできるものとしては鉄棒や懸垂などが挙げられます。

懸垂で体重を持ち上げるだけの筋力がまだ備わっていない場合は、ただぶら下がっているだけでもよく、学校の校庭などにある雲梯や綱上りなども受動握力の強化につながると考えられています。

握力といっても握る力だけではなく、握ったものを離さない力も必要であり、野球にはそのどちらも必要であること、特に受動握力の重要性をぜひ理解して日頃のトレーニングに役立ていきましょう。


握力には握る力とともに握った物を離さない力がある。懸垂は手軽に受動握力を鍛えられる。


著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。


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