【少年野球2.0】「投げる」「打つ」楽しみを、たっぷりと。三島南高校野球部員が、保育園児に「野球教室」(後編)

「野球離れ」に対する危機感は野球界全体に広まりつつある。特に、小学校以下の子供たちの間では、野球は、サッカーやバスケットボールよりもなじみがないマイナースポーツになりつつある。
先日発表された「高校野球200年構想」でも、ティーボールなどを使った子供たちへの普及活動が最重要課題の一つとされているが、高校野球の現場でも少しずつ普及活動が広がっている。

2018.06.25
6月5日、静岡県立三島南高校硬式野球部が、市内の梅の実保育園で行った野球教室のメニューは、

1.デモンストレーション(準備体操、キャッチボール、投球、ノック)
2.ピッチング(的当て)
3.バッティング
4.試合形式野遊び
5.鬼ごっこ
 
だった。ボールを受けるというプログラムがなかったのは、保育園児には難しいからとのことだった。



ユニークなデモンストレーション

最初に選手が準備体操や野球の動きを子供たちに見せるのもユニークな試みだ。稲木恵介監督によれば、
「僕たちは昔、お兄さんの野球を見て大きくなりましたが、今の子供は野球そのものを見る機会がありません。体の大きなお兄さんが野球をするのを見て、”ボール速いな”とか、”すごいな”とか感じてほしい。僕たちも大人の野球を見て”すごい”と思った記憶がありましたから。
野球の感動を最初に見せて、”真似してみよう”と思わせたかったんです」とのこと。
この野球教室は年2回ほど実施しているが、稲木監督によれば、日ごろの部活では見ることができない、意外な表情を見せる選手もいるという。「教える」という行為そのものが、野球への理解を深めるという一面はあるだろう。




プロもアマも思いは同じ

この日の野球教室は、日本野球機構(NPB)の野球振興室のメンバーが視察していた。
平田稔野球振興室長は、
「ティーボールではなく、紐をつけたボールを打つのがユニークでしたね。今回は安全管理に十分気を付けていましたが、これも大事なことです。ケガをしてしまっては”次回”はありませんから。
今、野球界では未就学児への野球普及のアプローチは最優先課題の一つになっています。
プロとアマのメンバーからなる日本野球協議会でも、取り組みを始めています。私たちは、小中学校の先生方に『ベースボール型』授業の指導法を教えるセミナーも行っています。
先日、高野連さんが『高校野球200年構想』を発表されましたが、私たちも野球普及の考えは共有しています。プロ野球の各球団もアカデミーでこういう取り組みをしています。5月には12球団で勉強会もやりました。どういうやり方がいいのか、まだ正解はありませんが、みんなで考えていきたい。そして日本野球協議会などを通じて野球界全体で情報共有していきたいですね。」
と語った。平田室長は稲木監督にNPBのベースボール型授業のテキストを贈った。

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