誰も期待していなかった浪速高校野球部の監督に

小林敬一良ベースボールアカデミーを主宰する小林敬一良氏は、中学生から大学生まで多くの選手を指導、自身も甲子園に出場し、監督としても甲子園で采配を執ったこともある指導者だ。しかしスパルタや勝利至上主義とは無縁。メンタルトレーニングを野球指導に最初に導入した指導者としても知られる。小林氏の野球人生をじっくりと聞いた。第3回目は浪速高校の監督に着任。

2018.07.11

「地理が専門」が決め手となって浪速高校の教師になる

高校野球の指導者になろう、と思って私は大阪府私学会館に行きました。「社会科教師の口はありませんか」と聞くと係の人が「社会科は難しいなあ」といいましたが「せっかくきてくれたのだから」と私学のリストをくれました。

翌日からそのリストを見て、野球が弱そうな学校に電話をかけ始めたのですが、3件目か4件目に、浪速高校の名前がありました。

「浪商やなくて、浪速高校と言う高校もあるんや」と思って電話を入れました。

「浪速高校です」
「小林と申します。学校長お願いします」

別に学校長と面識はありませんでしたが、事情をこまごまと言っても取り次いでくれないと思ったので、そういったのです。幸いにも校長先生がおられたので、

「今、中学の非常勤講師をしていました。野球の指導ができます」と言うと、校長は「いや、教科が大事だから。教科は?」と聞きました。

「社会科です。何でもやります」と言うと、
「そんなのはだめ、専門は?」と聞かれたので、
「地理です」と言うと、
「そうか、履歴書送りなさい」と言われました。

後で分かったことですが、地理の先生が入院しておられたんです。歴史と言っていたらこの話はなかったかもしれません。

履歴書は送るより直接持って行った方が良いだろうと判断して持って行ったら、たまたま校長先生がいて、
「わざわざ持ってきてくれんでも、送ってくれればええのに」
といいながら受け取ってくださいました。

1週間後に副校長の面接があって、
「1年契約の非常勤講師で、将来の保証はないですが」
と、言うことで非常勤での採用が決まりました。
基礎を教えて勝利に結びつける

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