成長期の一過性の痛み『オスグッド』ってなんだ!?

2018.08.14
運動を続けていると膝下が少し出っ張ってきたり、痛くなったりすることがあると思います。
練習を休んで安静にしていると痛みはなくなりますが、再開すると痛みが再度出てくることが多く、中には病院で医師から「オスグッドですね」と指摘された選手がいるかもしれません。
オスグッド(オスグッド・シュラッター病)は成長期にあたる10〜15歳前後のジュニアアスリートに起こりやすいといわれています。

身長が伸びる時期は、骨の成長スピードと筋肉の成長スピードに違いがあることがわかっています。
骨の成長が進むのに対し、筋肉の成長が遅れるため、骨が先に伸び、骨についている筋肉は引っ張られて柔軟性が低下します。
さらに骨と筋肉(靱帯部分)との付着部分には強い牽引ストレスがかかるので、その部位に炎症を起こして痛みが発症します。
成長期の体には通常の骨よりも柔らかい成長軟骨が骨の両端に存在するのですが、オスグッドは膝下部分にある成長軟骨が、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋など)に引っ張られて炎症を起こすことで発症します。

練習後に膝の下が痛くてジンジンするような場合はまずRICE処置を行い、患部を冷やして安静に保つようにします。
また太ももの前側の筋肉が硬くなっていることで膝下に負担をかけていることが考えられますので、大腿四頭筋や股関節の前側にある腸腰筋のストレッチを十分に行うようにしましょう。
この際、ストレッチをして膝下の痛みがひどくなるような場合は無理にストレッチをせず、自分で軽く太ももをほぐす程度にとどめておきます。
またオスグッドバンドという専用のサポーターを使うと、太ももの前側にある筋肉の牽引力をやわらげることが期待できます。

成長期を過ぎると痛みも消失してその多くは改善しますが、痛みがあるのにムリをしてプレーを続けると、膝下の骨が変形したり剥離したりして、成人になっても痛みが残ることがあります(オスグッド遺残症)。
普段から膝下に痛みがないかどうか実際に自分の手で押して確認したり、気になるときは練習後にRICE処置や太ももの前側を中心とした下半身のストレッチなど、早め早めに対応し、痛みが出る場合は患部を安静に保つことを優先させましょう。

成長期に特有な膝下の痛みであるオスグッド。適切に対処しよう。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。


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