【2018ジャイアンツカップ】大会総括

1994年に読売巨人軍の60周年を記念して創設された「全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップ」。当初は交流試合という位置づけだったが、2007年からは日本野球連盟公認の全日本中学野球選手権大会となり、リトルシニア、ボーイズ、ポニー、ヤング、フレッシュ5連盟で全国で予選が行われ、名実ともに中学硬式野球チームの日本一を決める大会として定着している。現在巨人で4番を任せられている岡本和真や、中日のローテーションの一角に定着している小笠原慎之介も中学時代にこの大会で活躍している。今年も代表32チームによって8月13日から5日間、関東の各球場で熱戦が繰り広げられたが、その模様をレポートする。

2018.08.20

大会通じて感じた、守備力と投手の制球力の向上

プレーの面でまず感じたことは守備力の向上である。140キロを超えるスピードボールや大きなさく越えを放つような選手は見られなかったが、その一方で守備に関しては大人も顔負けのプレーを見せる選手が多かった。東京の強豪同士の対決となった東練馬リトルシニア武蔵府中リトルシニアの試合ではそれぞれ一つずつ6-4-3のダブルプレーを完成させたが、捕球から送球の動きに無駄がなく、流れるようなプレーだった。これは今年の甲子園大会でも感じたことであり、全てのゴロを正面で両手でキャッチするのではなく、次のプレーを考えての動きができるようになっていることが多いと感じる。ドミニカやキューバなど中南米の練習法が紹介されるようになり、日本のプロ野球でも菊池涼介(広島)のような選手が出てきたことによる影響は大きいのではないだろうか。

優勝投手となった大淀ボーイズのエース島野愛友利投手

また投手で感じたことは制球力の向上だ。前述したように驚くようなスピードの投手は見られなかったが、ストレートも変化球も丁寧に低めに集めるピッチングが目立った。また中学野球は球数制限が厳しく設定されているため、継投となるケースが少なくない。そうなった時にもまずはしっかりコントロールできる選手が揃えられているチームだからこそ全国の舞台で戦えているということも言えるだろう。見事に優勝を果たした大淀ボーイズのエースは女子の島野愛友利投手だったが、まさにその典型である。少し肘を下げたスリークォーター気味のフォームでスピードは110キロ台だったが、見事にコントロールされた投球でチームを優勝に導いた。

中学の硬式野球というと関東のリトルシニアと関西のボーイズが二大勢力であるという印象が強いが、今大会では青森聖愛リトルシニアが東北勢としては初のベスト4の進出する快挙を成し遂げた。また残念ながら初戦で大敗したものの東北楽天リトルシニアも近年メキメキと力をつけてきている。指導者同士の交流、情報化社会による有効な指導法の普及などによって、今後も地域格差が小さくなることは十分に考えられる。今後も新たな旋風を巻き起こすチームが登場することに期待したい。
選手第一の大会運営

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