【大阪桐蔭】甲子園で見せた相手への敬意と気遣いは「自然なこと」

その強さだけではなく、選手たちの勝ってもおごる様子のない態度、対戦相手をリスペクトする姿勢にも大きな称賛を集めた。このような「強いだけではないチーム」はどのように築き上げられたのだろうか? チームを指揮する西谷浩一監督にお話を伺った。

2018.12.11

3人部屋から育まれる他者への気遣い


大阪桐蔭の寮は基本的には3人部屋。同級生3人で形成され、半年に1度メンバーチェンジをするのだが、この“3”という数字には意味がある。例えば夏の大会前のメンバー発表。3人全員がメンバーに入るにこしたことはないが、2人が入って1人が外れる、反対に1人だけが入って2人が外れることもある。そうなった時、自分がメンバーに入った場合は周りにどうやって声を掛ければいいのか。逆の場合はどうなのか。その状況に応じた対応や気遣いが、将来にプラスになることもあるという。

「社会人になると、これに近いケースってありますよね。1人部屋ならそこまで気を遣わなくてもいいけれど、集団で生きていく中で、周りにどれだけ気を遣いながら、そしてライバルに勝つために自分の目標に近づいていけるか。こういう状況で、メンバー入りできない子がちゃんとした振る舞いができる学年はだいたい結果が出ていますね」。

12年に藤浪晋太郎(現阪神)、森友哉(現埼玉西武)らを擁して春夏連覇を達成した年と、今年2度目の春夏連覇を達成したチームは、そのあたりがとてもよく似ているという。レギュラーはもちろん最大限の力を発揮したが、共通点はベンチ入りできなかった選手がレギュラーに尊敬されるほどの存在だったこと。
控え選手はメンバーに外れたからいじけるのではなく、試合に出られなくても今の自分は何ができるかを常に考えていた。大会に入れば対戦相手の偵察に行ったり、練習を手伝ったり。不調になった仲間に声を掛ける選手もいた。そして試合に出られなかった悔しさを心の底に宿し、大学など次のステージでレギュラーを取っていることも少なくないのだ。
選手にある、周囲を見渡す視野の広さ

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