【大阪桐蔭】甲子園で見せた相手への敬意と気遣いは「自然なこと」

2018.12.11

選手にある、周囲を見渡す視野の広さ

意識の高さはレギュラー、控え選手は関係ない。そして周囲を常に見渡せる視野の広さも大阪桐蔭の選手にはある。それを最も感じたのが、今夏の甲子園の2回戦の沖学園(福岡)戦だ。足がつった状態で一塁ベース上にいた相手選手に、俵藤夏冴選手らが率先して氷のうやコールドスプレーを持って駆け寄り、素早く処置。この対応に世間から称賛の声が挙がったが、実は西谷監督は少し戸惑いを感じている。

「ウチでは普段の練習からも誰かがケガをすれば氷のうやコールドスプレーを持っていきます。練習試合でもそう。審判の方にボールが当たったりしても同じです。特に、自分のグラウンドでの試合だと氷のうを作るための氷がどこにあるか分かりますから、誰かが気づいて持っていくのは普通なんです。相手チームだからどうっていう感情もまったくないですし、甲子園だからやった訳でもないんです。

あの時はコールドスプレーを持っているランナーコーチャーが(足がつって出塁した相手選手の)近くにいましたし、自然なことです。試合直後、新聞などで大きく取り上げていただきましたが、こちらからするとそんなにすごいことをやったという気持ちは本当にないんですよ」。

それでも迅速にそういった行為が自然にできる選手が集まる大阪桐蔭は、技術だけではない“強さ”を今年あらためて感じた。高校野球を通して、2年半どのような成長曲線を描けるかは、自身の意識の高め方と目標をいかにブレずに持ち続けるかが大きく左右するのかもしれない。(取材・写真:沢井史)

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