子どもの猫背は運動にマイナス?

2018.12.21
子どもたちの生活にも今やスマホは浸透し、小さな画面をのぞき込む姿勢をよく見かけます。
頭の重さは成人で5kgほどあり、頭の位置が数cm前方に移動するだけでも首や肩、背中にかけて2〜3倍程度の負荷(10〜15kg程度)がかかるといわれています。
こうした状態が長期にわたって続くと、本来自然に持っている背骨のS字カーブが崩れてしまうことが考えられます。
また子どもたちは毎日学校に通いますが、教科書などを入れたランドセルの重さも姿勢に悪影響を与えるのではないかという声もあります。
小さな背中に5〜8キロもの重いランドセルを背負って登下校を行っていると、やはり背骨のS字カーブは崩れ、鎖骨周辺部などが緊張を強いられることによって猫背になる傾向が見られます。


野球のプレーにおいては特に投球動作を繰り返すことで、利き腕の上腕骨頭が前方へと移動し、いわゆる「肩が前に出ている」状態をつくり出します。
このように日常生活や野球動作において、子どもたちの姿勢は知らず知らずのうちに本来の状態から逸脱し、背中が丸くなってしまいやすいといえるでしょう。

丸まった背中で問題になるのは野球に必要な回旋動作がスムーズに行えないことです。
背骨の中でも特に胸椎部分を十分に動かすことができないため、ムリにひねろうとしてわき腹や腰椎などを痛めてしまうことがあります。
また丸まった背中によって骨盤の位置が後傾してしまい(お尻が落ちた状態)、股関節の動きが十分に引き出せないため、守るときに低い姿勢を維持することができなかったり、バッティングでは体の近くを通る内角のボールがうまくさばけなかったりといったことが起こります。

パフォーマンスを高める良い姿勢としては頭の位置が前に出すぎず、骨盤の位置が中間位にあることですが、壁ぎわに立ってかかと、おしり、肩甲骨、後頭部の4点が壁につくかどうか、そしてこの姿勢を維持できるかどうか確認してみましょう。

この姿勢が維持できないときは、首から背中にかけての筋肉を伸ばしながら柔軟性を回復させ、骨格を正しい位置に整えるようにします。
円い筒状のストレッチポールがあればその上に寝転がって背中全体をほぐすこともよいでしょう。
また背中の筋肉を使って肩甲骨を引き寄せるようなトレーニングなども姿勢改善に役立ちます。
姿勢の崩れがパフォーマンスに影響しやすいことを理解し、よい姿勢を保てるようにしていきましょう。

ランドセルの重さもまた姿勢に影響を及ぼす可能性がある


こちらでも詳しく紹介されています!




■タイトル:「基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング」
■発行元:日本文芸社
■著者:西村典子
■価格:1728円
■頁数:256頁


著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。


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