アスレティックトレーナー立花龍司さん指導者講習会レポート(1)

12月15日、「ヤキュイク」にも度々登場していただいている宇野誠一さんが監督を務める市川リトルシニアが主催して、各地の指導者を集めての講習会が行われた。講師はアスレティックトレーナーの立花龍司さん。近鉄、ロッテ、ニューヨークメッツ、楽天でコーチを務め、また育成年代から社会人野球までアマチュア選手の指導にも長年深くかかわっている。まさに野球のトレーニング、コンディショニング分野の第一人者である。そんな立花さんの講演について今回はレポートする。

2018.12.26

今の野球界の問題点

前述したように立花さんと言えば第一線で長く活躍されてきたアスレティックトレーナーである。しかし今回の講演のテーマは『子どものやる気を最大限に引き出すコーチング』というもの。その内容は、今の野球界の問題点からスタートした。
「ある県のスポーツ少年団の方に聞いたところ、今一番部員が多いのはサッカー、次がバスケットボールで野球はその次だそうです。そして野球のイメージを若い人に聞くと『怖い』という回答だと言うんですね。これは間違いなく指導者の高圧的な態度に原因があると思います。何かにつけて根性で片づけることが多い。でも苦しい時に頑張れるか、乗り越えられるかというのはどれだけ野球が好きかで決まります。そのためにも子どもの時にいかに野球を好きになるかというのは極めて重要で、ここにいる指導者の皆さんはそれを担っていると思ってください」
 
また、野球に限らずスポーツの現場で繰り返される暴力についても触れた。
「最近でも指導者が選手に暴力を振るっている映像が流れて問題になりましたが、日本はそもそも法治国家で、体罰というのは暴行であって法的に認められたものではありません。もし街中で暴力を見かけたら普通は止めるはずです。それがグラウンドや体育館の中では誰も止めないというのは周囲もおかしいですよね。ただ今の現場ではまだまだそれが当たり前になっている。体罰というのは指導者にとって嫌なことを暴力で片づけているだけです。また暴力は連鎖します。暴力を使った指導を受けた選手が指導者になると暴力を繰り返すことが多いです」
学ぶことをやめる時はコーチをやめる時

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