【教えてメンタルトレーナー】いつも3日坊主の子どもとの向き合い方

U20代表チームやインターハイ優勝チームなど全国優勝を目指すチームから地域で1勝を目指すチームまで、様々なスポーツジャンルのメンタルコーチをつとめる藤代圭一さんが皆さんからの質問や相談に答えます!

2019.01.08

今回の質問・ご相談



「いつも3日坊主の息子」

所属チームでは内野手の補欠の息子。今年5年生になります。
大会が終わるたびに出られなかったのが悔しいのか、「次の大会では絶対にレギュラーで出る!」と宣言してくれます。

「じゃあ練習しないとね」
というと、

「毎日素振り100回する!」
「毎日学校まで走っていく!」
「毎日風呂上がりに柔軟体操をする!」

と威勢のいい言葉が返ってきます。

ここまではいいのですが、これが毎回3日くらいしか続きません。

「今日はやらないの?毎日やるんじゃなかったの?」
と聞けば、

「今日はお休みの日」
「明日やる」
「今日は寒いから」

などと言い訳をして、そしてやらなくなります。
子どもが自分で決めた事なのに......
我が子ながらちょっと呆れてしまいます。
(そのくせ、毎日「ダメ!」と言っているのにYoutubeやゲームは毎日やっています)

本人は野球が好きですし、上手くなりたい、試合に出られなくて悔しい、という思いはあるようです。
どうすれば自分で決めた野球の練習を毎日続けられるようになりますでしょうか?
何か子どもの心に響く、ことばのかけ方はないでしょうか?


藤代さんの答え

こんにちは、メンタルコーチの藤代圭一です。
ご質問ありがとうございます!

「やっちゃだめ」と言ったことはやるのに、「やろう」と決めたことは続かない。

このような子どもの姿を目の当たりにして、残念な気持ちになることはたくさんあるかもしれません。

少し話が脱線しますが「やっちゃだめと言われたことほどやりたくなる」といった、「禁止されるとかえって興味を抱く」ことを心理学では「カリギュラ効果」と言います。
乙姫様に「開けてはならぬ」と告げられた玉手箱を開けてしまう浦島太郎や、「決して中を覗いてはならぬ」と言われたのに覗いてしまう鶴の恩返しもそうした真理からくる行動を教えてくれています。

一方で「やろう」と決めたことなのに続かないのはどうしてなのでしょう。


◎ポイント
・小さくはじめる
・行動の積み重ねを見える化する
・毎日続けなくても良い
・なぜ? の理由を残しておく
・壁をイメージする
・乗り越えるアイデアをイメージする
・子どものサポートをする

小さくはじめる

大玉転がしのような大きなボールを転がす際、最初はとてもエネルギーを必要とします。

ぐぐぐぐっと力を入れても進まない。

けれど、少しずつ転がりはじめるとどんどんとスピードが増し、少しのエネルギーでボールを転がすことができるようになります。

これは、
「新しくはじめること」にも同じことがいえます。

僕たち大人も自分の体重が気になっては、

「毎日、1時間トレーニングをしよう」
「明日から5kmランニングをしよう」
「週に3日間はヨガレッスンを受講しよう」

と大きな一歩を踏み出そうとし、
継続できない自分に落胆してしまうのです。

継続するコツは、小さくはじめること。

小さくはじめ、それらを達成することによって、「僕には自分で立てた目標を達成できる力があるんだ」という自己効力感が育っていきます。

「毎日5分のトレーニング」
「明日から100mのランニング」
「週に1日、15分のヨガレッスン」

など、小さな行動から始めることがおすすめです。

行動の積み重ねを見える化する

物事を継続するときにとても簡単な手法の1つが、行動の積み重ねを「見える化」することです。

カレンダーなどに、
行動できた日は「○」、
行動できなかった日は「空白」などで記入することで、
俯瞰して物事を見つめるきっかけとなり、
理想の自分とのギャップに気づくことができます。

その際に大切なことは、
「どんな行動をするのか?」をより具体的にし、
お互いが行動できたかどうか理解できる形にしておくことです。

毎日続けなくても良い

適度に休みの日を設定することによって、
野球に対するやる気を高める効果も期待できます。

僕たち大人は「決めたら毎日続けること」を強要してしまう傾向があるかもしれません。

あらかじめ休みの日も組み込むことで、より長く走りつづけることができます。

なぜ? の理由を残しておく

「次の大会では絶対にレギュラーで出る!」

大会に出場できなかった彼の「悔しい気持ち」を残しておくことが彼のやる気を継続してくれるきっかけになるかもしれません。

「どんなことが悔しかったの?」
「なぜ、そう思ったの?」
「どうしたらいいと思う?」

人は忘れやすい生き物です。

だからこそ、
「悔しい」という気持ちを文字や映像で残しておくことで、行動しようと思ったきっかけを後から思い出すことができます。

想定外をイメージする

エースピッチャーが初回に大量失点したらどうしよう?
キャプテンが負傷退場したらどうしよう?

野球の試合でもあらかじめ「想定外」をイメージしておくことで、もし、その場面が本当に訪れたときに、慌てず柔軟に対応することができます。

「どんな想定外があるだろう?」

あらかじめ想定外をイメージすることで、起こりえそうな壁や課題を見つめることができます。

乗り越えるアイデアをイメージする

想定外をイメージしたら、乗り越えるアイデアや対策を考えましょう。

その際に効果的なのが「どのようにすれば?」と問いかけることです。

どのようにすれば、その壁を乗り越えることができるだろう?

続かない理由を探して、「なんで僕はいつも続かないんだろう?」と問いかけても、言い訳ばかりが浮かんでしまいます。

どのようにすれば? と問いかけることで事前にアイデアを生み出すことができます。

子どもをサポートする

僕たちコーチやお父さんお母さんにできることは、子どもを上手に励ますことです。

他人との比較や、できていないことばかりを指摘するのではなく、

「成長するために何ができそう?」

と問いかけ、子どものやる気の継続をサポートしましょう。




*「ご用件」に「質問メンタルトレーナー」と書いて、藤代さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。

藤代圭一さんプロフィール

一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。しつもんメンタルトレーニング主宰。
U20代表チームやインターハイ優勝チームなど全国優勝を目指すチームから地域で1勝を目指すチームまで、様々なスポーツジャンルのメンタルコーチをつとめる。
また全国各地にインストラクターを養成。その数は350名を超える。
著書に”スポーツメンタルコーチが教える「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」(旬報社)”がある。

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