成果にこだわる

Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」でおなじみの廣川寿さんが少年野球指導の現場で思ったこと、考えさせられたことなどを紹介するコラム。今回は「成果にこだわる」について。

2019.01.31
うちのチームは冬季のトレーニングメニューを終了して技術練習の比率を大幅に増やす時期に入りました。

この冬は「スピードアップ!」を掲げて、瞬発力強化のメニューに特化してトレーニングを行いました。「縦」「横」「縦+横の複合」「周回」など様々な動きを取り入れて「単純な走る速さ」ではなく、短い距離を素早く動ける「野球に活かせるスピード」を重視して2ヶ月間取り組んできました。

どのチームも冬のトレーニングは厳しく、選手にとっては辛いものになることが多いです。そのこと自体はプロセスとして見れば致し方ないと思うのですが、指導者は選手の苦しそうな表情を見て「トレーニングをさせている」という自己満足になっていないか?と常に自らの指導を疑う姿勢が必要だと思います。

うちのチームでは2ヶ月間、4個のストップウォッチを駆使しながら「0.1秒を短縮することの尊さ」を繰り返し説きながら、選手はその想いに応えるようにタイムにこだわって一生懸命取り組んでくれました。

その成果は・・・。

2ヶ月間で「チーム平均で約5%のスピードアップ」という成果が出ました。これは塁間の到達速度に換算すると0.2秒、約1.5mに相当します。1.5m速く一塁に到達できれば攻撃面では「内野安打の増加」や「併殺の減少」など、試合での効果が期待できます。守備面においても捕球後の送球動作に明らかなスピードの変化が見えました。素早く動けることによって捕球後の2ステップが素早く踏めるようになり、動きの速さだけでなく送球の力強さにも変化が見られました。

これらは「勝利の根拠」になると思います。

「勝利至上主義の是非」について語られることが多くなりました。私も「勝てばいい」とは思いません。しかし私は「練習は勝利の根拠を造る」を目指すべきではないか?と思います。「勝利を目指すプロセス」の中で「勝利の根拠」を造ることは選手にとって自信となります

「グラウンドなんかなくても野球は上手くなれる」

指導者として私も自信を深めることができたシーズンでした。
成果にこだわってついてきてくれた選手に感謝したいと思います。


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著者プロフィール

著者:廣川寿(ひろかわひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


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