【教えてメンタルトレーナー】試合で「力まない」「力を抜く」ための方法

U20代表チームやインターハイ優勝チームなど全国優勝を目指すチームから地域で1勝を目指すチームまで、様々なスポーツジャンルのメンタルコーチをつとめる藤代圭一さんが皆さんからの質問や相談に答えます!

2019.02.04

今回の質問・ご相談



「試合や大会で「力を抜く」、「力まない」ためにはどうすれば良いですか?
練習では上手くできても、試合では上手くできないことがあります。
どうすれば試合や大会でも力まず、普段の力が発揮できるようになりますか?


藤代さんの答え

メンタルコーチの藤代圭一です。
ご質問ありがとうございます!
なにごとも力みすぎるとうまくいかないことが多いものですよね。
僕自身、野球をプレーしたのは高校〜大学の2年間だけ。
草野球でしたが、まわりを見渡せば高校野球あがりの上手な人ばかり。
基本的な練習もおぼつかないまま、バットのグリップを握る手を通じて、身体に力が入り、いつも凡打ばかりでした。
どのようにすれば、力を抜いて、本来の実力を発揮できるのでしょう?


ポイント
・過去に力まず、うまくいったことを振り返る
・思い通りにいかなかったときを振り返ってみる
・練習と試合は何が違う?
・コントロールできることに意識を向ける

◎うまくいったときを振り返ってみる

ご質問者様が指導される選手(またはお子さん)は「練習では上手くできても、試合では上手くできないことがあります」ということです。
「試合ではいつも力が入ってしまう」わけではないと思いますので、まずは過去の試合で「うまくいったとき」を振り返る機会をつくってみましょう。
もっともパフォーマンスを発揮できたとき(今回のご質問であれば、力を抜いてパフォーマンスを発揮できたとき)はいつでしたか?
少し時間をかけて、できるだけ具体的に振り返ってみましょう。
なかには試合を通じてうまくいかなかったけれど、ひとつの打席に関してはすごくよかった、ということもあるかもしれません。

・力を抜いて、試合に臨めたときはいつですか?
・その試合の目標は何でしたか?
・試合前にはどんなことを考えていましたか?
・試合中はどんなことを考えていましたか?
・身体のコンディションの状態はどうでしたか?(10段階中)
・どうして力を抜いてプレーできたと思いますか?
・力を抜いてプレーするために大切なことは何ですか?

◎思い通りにいかなかったときを振り返ってみる

うまくいったことを振り返ったら、今度は選手自身が「あのときは力が入ってダメだった」と感じるプレーや試合など、思い通りにいかなかったことについて振り返る機会をつくりましょう。

・力が入って、実力を発揮できなかったときはいつですか?
・その試合の目標はなんでしたか?
・試合前にはどんなことを考えていましたか?
・試合中はどんなことを考えていましたか?
・身体のコンディションの状態はどうでしたか?(10段階中)
・どうして力が入ってしまったと思いますか?
・プレーのこと意外に気になっていたことは何かありますか?

少し時間をかけて「うまくいったパフォーマンス」と「思い通りにいかなかったパフォーマンス」について振り返ってみる時間をつくると、様々な要素が絡み合って「力み」につながっていることも想像できます。
小学生であれば、「試合前に両親に怒られてしまった」ことで身体がこわばり「力み」につながることも少なくありません。
どんな要素が「リラックス」を生み、反対にどんな要素が「力み」を生んでいるのか振り返ってみましょう。

◎練習と試合は何が違う?

練習ではできるのに本番になると実力が発揮できない。
これは多くの選手に共通する悩みかもしれません。
ここで少し立ち止まり、考えたいことは「練習と試合の違い」です。
練習と試合の違いにはどんなものがあるでしょうか?
試合になると「結果」を意識しすぎて、身体に力が入ってしまうこともあるかもしれません。
市内大会だとほどよい緊張で臨めるけれど、県大会になると過緊張になってしまう。
また試合序盤はリラックスして臨めるのに、試合終盤で緊迫した場面ではうまくいかないのかもしれません。
練習環境をいかに試合に近づけることができるかについては、多くの指導者のみなさんが意識していることだと思いますが、簡単ではありませんよね。

◎コントロールできることに意識を向ける

では、どうすればよいのでしょう?
以前にいただいたご質問「試合前から名前負けしている息子について」に詳しく掲載していますが、試合中には「コントロールできること」と「コントロールできないこと」があります。
ニューヨーク・ヤンキースで活躍した松井秀喜さんは思うようにパフォーマンスがあげられず不振だった際にある記者から、「マスコミから注目されているが、どのように報道されるか気になるか?」と問いかけられました。
すると松井さんは「気になりません。記者が書くことは僕にはコントロールできません。コントロールできないことには関心をもちません」と答えたのです。
これは試合中にも同じことがいえます。
いかに自分がコントロールできることに意識を向けられるかが高いパフォーマンスを発揮するための重要なポイントになります。

◎力みをとるアイデア(1):深く呼吸をする

緊張感が高まると心拍数は上昇し、呼吸は浅く、速くなり、身体はこわばり、身体に力みが生まれます。身体の力みを抑えるためには、深く呼吸することが効果的です。
まず、口をすぼめるようにして、ゆっくりと身体の中にある空気を、お腹がへこむように吐き出していきます。お腹が膨らむように鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
「口から吐き、鼻から吸う」を意識して、2〜3回ゆっくりと深く呼吸をしてみてください。
身体の力みが徐々に解けていくのを実感できるはずです。

◎力みをとるアイデア(2):筋弛緩法

力を抜くという結果を求めるあまり、無意識に力が入ってしまうこともあるかもしれません。
また、ぼくたち大人も「力を抜く」ことが苦手ですが、「より緊張させる」ことによって力みをとることができます。
アメリカの神経生理学者、エドモンド・ジェイコブソン博士が開発した「筋弛緩法」は体の緊張と弛緩の動作を繰り返し、筋肉をリラックスを促すことで精神もリラックスする方法です。

(1)力を入れる:両肩を首につけるように、数秒間、8 割程度の力を入れます。
(2)力を抜く:ふぅーと吐く息とともに、ストンと力を抜きます。
(3)力の抜けた感じを味わう(肩から指先にかけてじわーっと「力が抜けた」という感覚が得られます)

1〜3のステップを何度か繰り返す。

まとめ

◎うまくいったときを振り返ってみる
◎思い通りにいかなかったときを振り返ってみる
◎練習と試合の違いを考える

◎コントロールできることに意識を向ける
◎力みをとるアイデア(1):深く呼吸をする
◎力みをとるアイデア(2):筋弛緩法





*「ご用件」に「質問メンタルトレーナー」と書いて、藤代さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。


藤代圭一さんプロフィール

一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。しつもんメンタルトレーニング主宰。
U20代表チームやインターハイ優勝チームなど全国優勝を目指すチームから地域で1勝を目指すチームまで、様々なスポーツジャンルのメンタルコーチをつとめる。
また全国各地にインストラクターを養成。その数は350名を超える。
著書に”スポーツメンタルコーチが教える「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」(旬報社)”がある。

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